Steamの旧「Steam2」サーバーアーキテクチャに属する12TB分のコンテンツアーカイブが、BitTorrent経由で流通した。「可能な限り完全なコンテンツサーバーのダンプ」と説明されているこのアーカイブには、これらのサーバーにアップロードされたゲームの異なるバージョンを表す数千の「depot」が含まれている。コレクションには、リリース済みの作品だけでなく、Valveと第三者パブリッシャーによる、これまで確認されていなかったベータ版、プロトタイプ、ゲームテスト版も含まれている。
この流出が2013年に突然途絶えた理由は、Valveがコンテンツ配信システムをSteam2から現在のSteamPipeへ移行したためだ。この変更により、独自のファイル配布形式に代わって標準HTTPファイルツリーが導入され、アップデートとパッチの処理が変更された。移行前の一部ゲームの初期バージョンは、Valveのサーバーからアクセスできなかったため、アーカイバーの間では失われたコンテンツとみなされていた。
Valveの追跡者兼データマイナーであるGabe Followerは、コンテンツが一般公開されたAPIエンドポイントから取得されたものであり、Valveのミスだと指摘した。アナリストのScolcerも、データは暗号化されていない公開サイトからダウンロードできたと述べた。しかし、アーカイブに近い人物らの説明によれば、ファイルは2013年以前にダウンロードされ、個人コレクションの中で何年も保管されていた可能性もある。別の可能性として、複数の人物がそれぞれ保有していたファイルを統合してアーカイブを作成したことも考えられる。流出時に共有されたメモでは、ユーザーに対してコンテンツの複製と拡散が促され、アップローダーだと名乗る人物は、22TB分のサーバーアップロードログのスクリーンショットを提示した。
プレイヤーは特に、Portal 2の初期バージョンから削除されたGLaDOSのセリフ、キューブ内に収められたCave Johnsonの意識、円形ポータル、粘着ジェル、スローモーション銃を発見した。Half-Life 2: Episode 3に関連するとされる「ep3」ファイルや、以前にドキュメンタリー映像で確認された武器モデルも注目を集めたが、アーカイブ内にプレイ可能な「Half-Life 3」版は見つからなかった。Left 4 Dead 2、CS: GO、開発中止となったF-Stopのコンテンツに加え、Spore、Dragon Age: Origins、Batman: Arkham Asylum、Sonic the Hedgehog 4、Spec Ops: The Lineなどのゲームの初期バージョンも確認された。
この流出は、ValveのサーバーがPCゲーム開発史の大部分にわたって深刻なセキュリティリスクを抱えていたことを示す一方、第三者のコンテンツや法的な影響の可能性についても懸念を生じさせた。
なぜ重要なのか
このアーカイブは、ゲームの発売版そのものよりも、開発過程で削除または変更された要素を追跡できるようにするため、デジタルゲーム史の研究者やアーカイブ関係者にとって重要だ。Steam2からSteamPipeへの移行によってアクセスが困難になったファイルが再び確認できるようになったことで、技術的な移行によってどのコンテンツが失われたのかを調査できる。とはいえ、このコレクションが一般公開されたエンドポイントから取得されたのか、それとも長年にわたって非公開のストレージから統合されたのかは確定しておらず、ファイルの出所と完全性は未解決の問題として残っている。第三者のゲームも対象に含まれていることから、共有の著作権および配布上の境界も問われることになる。Valveにとっては今回の出来事により、旧コンテンツ基盤におけるアクセス制御と、アーカイブされたデータの安全性に疑問が生じている。
背景
SteamはFikirPilotアーカイブにおいて新しい名前ではない。過去90日間に、この名前に言及したニュース記事を2本公開しており、最新のものは2026年8月30日付だ。