考古学者らは、イタリアのTivoliにあるイムペラトルHadrianusのVillaで、円形闘技場の近くに最初に埋葬された場所から、彫刻が施された大理石の板を発見した。板には、古代ローマの夜の雷神Summanoを示し、雷が夜に落ちたことを記した「FVLGVR SVBMANIVM」という文字が刻まれている。
研究者らは、この板の埋葬を、落雷を受けた場所を儀式によって聖別することや、落雷を神の介入とみなす考えと結び付けている。ローマ時代には、こうした場所は宗教的なものとみなされ、落雷を受けた物体が集められて地下に埋められていた。昼の雷はJüpiterに、夜の雷はSummanoに帰属すると考えられていた。
発掘責任者のFabio Giorgio Cavalleroは、銘板が本来の位置で保存されていたことを並外れた発見だと評価し、この発見によってVilla Adrianaの空間の再編成と、記念碑的な場所の変容が明らかになる可能性があると述べた。Alberto Samonàは、この発見がローマの信仰における私的な儀式に光を当てるものだと指摘した。イタリア文化相のAlessandro Giuliは、この発見をローマの儀式を示す稀有な証拠と評価した。
なぜ重要なのか
この発見は、ローマの宗教が公的な儀式だけで成り立っていたのではなく、雷のような自然現象が、儀式を通じて特定の場所を聖別し得たことを示している点で重要だ。夜と昼の雷が異なる神々と結び付けられていたことは、当時の宗教観における区別と、そうした信仰の物質的な痕跡を研究する研究者らに、独自の証拠を提供している。板が発見された場所で保存されていたことで、銘文を単独で捉えるのではなく、Villa Adrianaの利用形態や空間構成と併せて評価することが可能になった。そのため、この発見は、記念碑的な場所が時間の経過とともにどのように再編成されたのか、また儀式的な実践がVillaのどの空間と結び付いていたのかという問題を改めて浮上させている。